2013/09/06
気になる最高裁判決 ~非嫡出子の相続差別~
2013年09月06日
一昨日、最高裁で非嫡出子(婚外子)の相続差別を違憲とする判決が出ました。
ここでいう相続差別とは、結婚していない男女間に生まれた子(非嫡出子)
の相続分を法律婚の子(嫡出子)の半分とする民法の規定のことですが、
平たく言えば「愛人の子の相続分は正妻の子の半分だけですよ」という話です。
報道によれば政府は違憲判決を受けて、秋の国会で民法改正案を提出するとのことです。
民主党も違憲判決を支持するコメントを出していますし、
改正案はまず間違いなく成立するだろうと思います。
学生時代に民法の先生がこのテーマを取り上げていたのを思い出し、
感慨深いものがありますが、
やはり今気になるのは私たち税理士の仕事への影響です。
相続税の計算上、法定相続分で遺産を分割した場合の相続税額をいったん計算したうえで、
その相続税額を実際の相続分に応じて各相続人に配分する計算をするため、
法定相続分の規定が変わると相続税の額も変わることになります。
理屈としては今までバラバラだった嫡出子、非嫡出子の相続分が均されることで、
累進税率により高い税率が課される部分が減り、
結果として家族全体の相続税の負担は多くの場合に減少することになります。
将来的にはこのように計算方法が変わるとして、、
次に気になるのは、「ではいつの相続から均等相続を前提とした相続税計算を行うべきか」ということです。
杓子定規に考えれば民法が改正、施行された日以後の相続ということになるのでしょうが・・・
近く税務当局からこのあたりのアナウンスもあるのかもしれません。
引き続き注視していきたいと思います。
森嶋