医科
歯科
2022/05/17
税理士が教える医療機関の税務調査②
グロースリンク税理士法人の医療3課でプレイングマネージャーをしております税理士の大久保と申します。
今回は前回のコラム
https://www.tsurutax.com/blog/11632/
の内容をもう少し掘り下げて解説させていただきたいと思います。
収入項目
前回で収入項目については、
・収入は正しく計上されているか
・原価との対比、予約、予診との関連は適正か
・未収金は適正に計上されているか
の3つの論点を挙げさせていただきました。
では各診療科別にみるとどのような項目が挙げられるのでしょうか?
診療科別にみていきましょう。
内科
内科の場合、なんといっても予防接種です。前回コラムでも取り上げたように予診票などからあるべき売上を想定し、実際の売上が一致しているかを確認していきます。また、シリンジなどの消費量からも推定がなされることがあります。また、自治体検診などは振込が多く収入自体はガラス張りとなっている形ですが、自治体ごとに入金サイクルが違っていたりするため、未収金の計上漏れが多い論点でもあります。
耳鼻科
耳鼻科は自費項目が少ないですが、そのなかでも予防接種、検診などは一定程度行われており、自由診療については内科同様の論点があります。
眼科
眼科も比較的保険診療が多く、ガラス張りです。ただ、眼科はレーシックなどの自費手術があったりして、オペの予定表などは確認されると考えたほうがよいでしょう。収入の論点ではありませんが、白内障のオペをやっている場合、眼内レンズの在庫管理などもチェックされると思われます。
整形外科
整形外科は自賠責収入、労災収入が多いです。通帳に振り込みされるため直接の収入漏れとなる可能性は低いですが、未収金の計上の適正性が確認されます。また、自賠責の入金には消費税課税対象となる文書料が含まれていることがあり、消費税課税事業者の場合は要注意です。
産婦人科
産婦人科(特にお産を対応している医院)は事業規模が大きくなりがちです。保険の割合が低く、検診などの項目も多数ありますし。また消費税判定も複雑なため、収入一通りが原資資料と合わせてチェックされると認識しておいた方がよいでしょう。未収管理も要注意です。
泌尿器科
泌尿器科については、自治体検診(前立腺がん検診など)などの未収計上がなされているか、自費の手術などの計上がきちんとなされているか、がチェックされます。
皮膚科
皮膚科については、レーザー治療などの自費の有無によって調査の方針は大きく変わると考えられます。特にレーザー治療など薬剤を利用しない治療については、仕入では検証ができないため、アポ帳などから調査が入ることになると考えられます。
小児科
小児科は保険診療の他、ワクチンの接種、小児検診などの項目が主になります。ワクチンについては行政からの振り込みが多いため、未収の計上がきちんと行われているかが重要になります。
在宅クリニック
在宅クリニックについては、窓口負担金が収納代行となっているケースが多く、窓口負担の未収金管理が適切に管理サイクルにのっているか、また、高齢者の方は文書料やワクチン代についても行政負担となるケースが多いので、そういった未収金がきっちり管理されているかがポイントです。
歯科
歯科はやはり自由診療の予約と技工の関係、収入の計上時期(いつセットしたか、売上が帳簿上計上されたのはいつか)などがチェックの中心となります。また撤去冠についてはほぼすべての調査官で尋ねてくるようになってきていると感じています。
以上、診療科ごとに分けて医療機関の収入についてご説明させていただきました。
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