税務
2023/09/21
インボイス期限延長|愛知・岐阜・三重での消費税申請を理解しよう!
こんにちは!名古屋の会計事務所、グロースリンク税理士法人の浅田です!
2023年10月1日に、消費税のインボイス(適格請求書)制度がスタートします。政府は当初、10月にスタートするためには2023年3月31日までにインボイス登録の申請を求めていました。しかし、登録者数が少ない・制度が十分理解されていないなどを理由に申請は9月30日まで延期されています。
この記事では、愛知・岐阜・三重在住でまだインボイス登録を行っていない事業者の方に、制度のおさらいと登録をすべきかを解説します。
登録期限延長!インボイスを考える方が知っておくべきこと
9月30日までに期限が延長されたインボイス登録。まずはこれから登録をする場合に、何をすればいいのか、知っておくべき点を紹介します!
登録手続きの手順
登録時には所轄の税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、13桁の番号をもらう必要があります。e-Taxによる登録手続きする方法と書面を税務署に提出する方法のいずれかで登録は可能です。
愛知・岐阜・三重の方は名古屋国税局で登録できます。「インボイス登録センター」に行けば、制度申請に関する書類の記入方法などを電話照会で行ってくれるので、不明点を確認でき便利です。
9月30日までに済ませる|いつまでに申請すればOK?
税務署の処理時間を考慮すると書面手続きは3か月前までに、e-Taxの場合でも約1か月半を要するようです。したがって、遅くとも書面の場合は6月末まで、e-Taxの場合は8月中旬を目途に申請しましょう。
なお、この処理時間は23年4月末までの全国の平均処理時間です。期日が迫る、申請件数が多くなる、税務署の地域差などもありますので、事前に所轄税務署に確認しましょう。
令和5年10月1日~令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受けた場合、登録日から課税事業者となる経過措置が設けられています。
例えば、消費税免税事業者の個人事業主が令和5年10月以降、12月31日までにインボイス登録を実施すれば、10月1日にさかのぼって登録したとみなされます。
愛知・三重・岐阜で納税|インボイス登録前に消費税のことを知ろう
「消費税に関する制度変更、いまさら人に聞けない!」そう思う方もいるはずです。そこでこの章では消費税の仕組みをおさらいし、そのうえでインボイス制度についても説明します!
消費税の求め方
消費税は、売上代金の10%をお客様からもらい、通常は商品などの仕入れた額に10%を支払うのが一般的です。税務では、受け取った消費税額と支払った消費税額の差額を申告します。この際に、仕入時に支払った消費税を仕入税額控除といいます。
仕入税額控除は外部の事業者との取引で支払った課税仕入れが対象です。主なものは以下の通りです。
- 商品の仕入れ
- 原材料等の購入
- 機械・建物など設備備品の購入
- 水道光熱費
- 委託手数料
- 接待交際費
- 地代家賃
- 外注加工費
これらに支払った消費税が控除されます。
期限延長|愛知・三重・岐阜で納税するなら知りたいインボイス事業者の違い
消費税はすべての事業者が納付しているわけではありません。課税売上高が1000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されます。
課税事業者は受け取った消費税から仕入税額控除を差し引いた分の消費税を、国に納税する義務があるのです。一方、免税事業者は差額が残った場合でも、消費税を納税する義務はありません。
国は規模の小さい事業者には納税すべき消費税額の計算等の事務負担などを考慮して、納税義務を免除しています。
課税事業者は受取消費税が支払い消費税より多い場合、差額を納税する義務があります。
しかし、支払い消費税の方が多かった場合は、支払い過ぎた消費税の還付を受けられます。例えば、赤字事業年度や建物・設備等一度に大きな支払いが生じた場合などが該当します。
一方、免税事業者はこの反対で、受取消費税が支払い消費税より多い場合に差額を支払う義務がありません。
ただし、その分法人税の課税標準額がプラスされるので気をつけましょう。支払い消費税額が多かった場合でも還付はできません。免税事業者のキャッシュフローや利益は、課税事業者より有利になるのです。
非課税取引・課税取引を理解しよう
消費税のかからない取引は非課税取引と呼ばれます。主なものは以下の通りです。
- 土地の譲渡・貸付け
- 社会保険医療
- 介護保険サービス・社会福祉事業
- 一定の身体障害者用物品の譲渡・貸付
- 一定の学校の授業料・入学金・入学検定料
- 施設設備費
非課税事業者が課税事業者へ登録しても、消費税の計算や納税額には緩和措置がある課税事業者となります。そのため、インボイス登録を行えば、これまで支払う必要のなかった消費税の差額分の納税義務が発生するのです。
ただし、今回課税事業者となった場合、2026年9月30日までの3年間の消費税の納税は、受け取った消費税額の2割でよいとする制度ができました。これはいわゆる「2割特例」の経過措置です。
また、簡易課税制度が利用できれば、消費税の納税計算をみなし仕入れ率を用いて簡易に計算ができます。課税事業者になる場合は、2割特例が有利か、簡易課税制度が有利かについてあらかじめシミュレーションしてみましょう。
愛知・三重・岐阜でも延長のインボイス登録|消費税の取り扱いは?
インボイス制度がスタートすると、企業が仕入れ先などから請求書をもらう場合に「適格請求書」でなければ仕入税額控除ができなくなります。
つまり、非課税事業者の方は適格請求書の発行ができない場合、取引先が仕入額控除ができなくなる可能性があるのです。
インボイス番号が請求書発行に求められる
適格請求書には、登録番号である13桁のインボイス番号を記載する必要があります。したがって、適格請求書の発行が必要な場合、免税事業者はインボイス登録、すなわち課税事業者として届け出しなければなりません。
登録と免税事業者の関係
取引先が課税事業者であれば、仕入税額控除のためにインボイス登録を要求されるかもしれません。
課税事業者である企業などから健康診断や人間ドックなどを請け負っているような医療機関も、この対象です。インボイス登録をしない場合、インボイス登録事業者に取引先を変更されたり、消費税額分の値下げなどを要求されたりする可能性もあります。
愛知・三重・岐阜在住の事業者必見!インボイス説明会に行こう
愛知、三重、岐阜の方で、「インボイス制度」を初めて聞いて不安な方もいるはずです。
でも、安心してください!名古屋国税局が主催するインボイス制度説明会が近くの税務署等で開催されています。もちろん、ご自分がインボイスへの登録が必要か否かの相談も可能です。
愛知・三重・岐阜のインボイス申請や相談が出来る場所
愛知・三重・岐阜の各地でインボイス申請や相談ができる場所をご紹介します。お近くの方はぜひ訪問してみてはいかがでしょうか?
愛知
愛知県でのインボイス制度説明会は6月、23日まで比較的各地で多く開催しています。しかし、7月以降は月に1回の開催となるため気を付けましょう!
開催時間 |
開催場所 |
定員数 |
平日午前10時~午前11時30分ごろ |
名古屋市、一宮市、小牧市、西尾市、瀬戸市、新城市、岡崎市、豊橋市、津島市、豊田市の各税務署 |
20名〜50名 |
名古屋市以外では6月まで1回程度の開催が予定されます。参加には、事前に電話で予約が必要です。ただし、新型コロナウイルス感染対策を実施しているため、感染状況次第では中止となる場合もあるため注意しましょう。
詳しい開催日と開催場所、連絡先は以下の名古屋国税局のURLをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/invoice_setsumeikai/pdf/gifu.pdf
三重
三重県のインボイス制度説明会は6月23日が最終日です。
開催時間 |
開催場所 |
定員数 |
午前は10時〜11時30分 午後は13時、14時〜15時 |
伊勢市、津市、鈴鹿市、四日市市、松坂市、桑名市、伊賀市、鈴鹿市、尾鷲市、熊野市の各税務署 (ただし、尾鷲、熊野は各合同省庁) |
18名〜30名 |
事前に電話で予約が必要であり、新型コロナウイルス関連対策は愛知県同様のものです。
詳しい開催日と開催場所、連絡先は以下の名古屋国税局のURLをご参照ください!
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/invoice_setsumeikai/pdf/gifu.pdf
岐阜
岐阜県のインボイス制度説明会も6月23日が最後です。
開催時間 |
開催場所 |
定員数 |
平日午前10時〜11時30分ごろ (ただし、6月23日の高山市開催分のみ14時〜15時) |
岐阜市、大垣市、中津川市、関市、多治見市、高山市の各税務署 (ただし、高山市は高山合同省庁) |
15名から30名 |
岐阜県でも事前に電話予約が必要であるため気をつけましょう!詳しい開催日と開催場所、連絡先等は以下の名古屋国税局のURLをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/invoice_setsumeikai/pdf/gifu.pdf
愛知・岐阜・三重でインボイス登録でお悩みの方はグロースリンク税理法人にご相談を!
消費税やインボイス制度についてもっと詳しく、かつ、気軽に相談したい方も多いのではないでしょうか?以下の悩みがある方は、ぜひグロースリンク税理士法人に依頼をしてみましょう。
- そもそも課税事業者になるべき?
- 課税事業者になった際、キャッシュフローへの影響は?
- どれくらいの業務負担が増える?
- 2割特例と簡易課税ならどちらが有利?
まずは相談をしてみたい……というご相談も、わたしたちグロースリンクは大歓迎です。インボイスに関するお悩みを、税金のプロ集団グロースリンクにぜひご相談ください!