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労務

2023/12/15

社会保険130万の壁に対する特例措置

社会保険130万の壁に対する特例措置

こんにちは、労務の可知井です。

早いものでもう年末年始、クリスマスにお正月と楽しみなイベントも多く待っていますが、それ故に支出も増える季節です。

最近では円安などによる物価上昇もどんどん肌で感じるほどになってきました。

 

となると、収入を増やすことに目を向けることになりますが、特に家族の扶養に入っている方は年間収入における所得税の壁103万社会保険の壁130万等の多くの壁を考慮しなければいけないということが注意点です。

今回はその中で【社会保険の壁130万】に関して当面の対応策としての特例措置が厚生労働省から発表されましたので紹介いたします。

 

 

〇そもそも130万の壁って?

130万の壁というのは、社会保険に加入している被保険者が所得の少ない家族を被扶養者として社会保険に加入させることができる年間収入の金額を指します。

被扶養者は社会保険料が発生しない、というのが大きなメリットです。

一方、年収が130万を超えると自身でパート先の社会保険に加入するか国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。

 

具体的に130万を超えて社会保険に加入する場合の保険料を見てみます。


月収:11万円(年収132万)

愛知県在住

40歳未満の場合

 

自己負担として健康保険料が5,505円/月、厚生年金が10,065円/月

年間で合計をすると186,840円の社会保険料を自己負担する必要があります。


もちろん、厚生年金分は将来もらえる年金額に反映されますので、一概に損と言い切るものではありませんが、負担額は大きいので家計や収入を考えて気を付けたいポイントです。

 

 

〇130万を超えても扶養のままでいられる措置

今回、2023年10月に厚生労働省から発表された特例措置では、収入が一時的に年収130万を超えたとしても引き続き扶養に入り続けることが可能となるものです。

具体的な事例としては、パート・アルバイトで働く方が、繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、連続2回まで引き続き扶養に入り続けることが可能、となっております。

 

130万円の壁に対する政府の政策リーフレット(厚生労働省公式サイト)

https://www.mhlw.go.jp/content/001162154.pdf

 

配偶者だけでなく、学生のお子さんや新たに被扶養者としての認定を受けようとしてい方も対象になります。

 

注意点としては、年間収入の見込みがそもそも恒常的に130万を超えることが明らかな方は今回の措置の対象外となりますので、あくまで【一時的な収入変動】の場合のみとなることです。

また、具体的にいくらまでの一時的な収入変動が認められるか、という目安や上限額に関しては明記されておりません。各保険者(健康保険組合など)が雇用契約書等を踏まえつつ、増収が一時的なものかどうかを確認・判断することになる、と定められております。

そのため、この働き方は被扶養者に認定されるのか?などはご加入の健康保険組合等に一度ご相談いただくことをオススメ致します。

 

 

忙しい時期にいっぱい働きたいのに、130万の壁があるため勤務時間を抑えなければいけない、という方には選択肢が増えることになりますので、是非ご活用ください。

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