2017/02/18
従業員の通勤手当をいくらにするか?
皆様、こんばんは!1課の石黒です。
所得税確定申告の時期となり、会計事務所が1年間で一番忙しい時期に突入しています。皆様の年間所得、税金を確定させる重要な業務ですので、気を引き締めて進めております!
さて、今回は従業員の通勤手当決定についてお伝えしたいと思います。平成28年中に事業を立ち上げたお客様を何件か担当させていただいておりますが、最初の給与支給前によく質問される項目であり、わかりづらいもののひとつだと思います。
決定に当たり、基本的には通勤手当が非課税通勤費とされる範囲内で決定します。そのため、まずは非課税通勤費となる基準額を把握する必要があります。非課税通勤費の考え方は下記の2パターンに分類されます。
①公共交通機関を利用する場合
②車通勤の場合
①については、公共交通機関の利用に要した通勤費が全額非課税となります(最も経済的かつ合理的な経路及び方法をとることが前提、かつ月15万円が限度額)。そのため、最初の1か月目の定期代領収書等を従業員に提出してもらい、引越し等の変更がない限り毎月同額を支払うという方法になるかと思います。
②車通勤の場合の非課税限度額が複雑であり、下記のように定められています。
マイカーなどで通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額の表 | ||
片道の通勤距離 | 1か月当たりの限度額 | |
2キロメートル未満2キロメートル未満 | (全額課税) | |
2キロメートル以上10キロメートル未満 | 4,200円 | |
10キロメートル以上15キロメートル未満 | 7,100円 | |
15キロメートル以上25キロメートル未満 | 12,900円 | |
25キロメートル以上35キロメートル未満 | 18,700円 | |
35キロメートル以上45キロメートル未満 | 24,400円 | |
45キロメートル以上55キロメートル未満 | 28,000円 | |
55キロメートル以上 | 31,600円 | |
車通勤の場合、1キロあたり○円支給と定め支給しているところが多いと思いますし、このように一律に設定しておかないと計算が複雑になるため、このような支給ルールにせざるをえないと思います。一方、非課税限度額は上記表のように段階的に設定されており、一概にいくらが非課税とは決められていません。そのため、1キロあたりいくらに設定すればよいのかわからないとよく質問をいただきます。
仮に片道9.9キロの方が月22日勤務した場合、9.9キロ×2(往復)×21日×10円=4,158円となり、ぎりぎり4,200円の非課税枠の範囲内となります。このことからすると、キロ15円に設定している場合は6,237円となってしまい非課税枠を超え2,037円が課税通勤費となり給与課税されてしまいます。また給与計算に当たり、課税と非課税を分けるのが手数がかかるため、10円と設定しておくのが都合がよいためこのように設定する会社が多いようです。
もちろん、課税通勤費が発生することを気にされなければキロいくらに設定しても構いません。
以上、少し細かい内容でしたがご参考にしていただければと思います。