2017/10/30
「聴く」ということ
こんにちわ!労務チーム田原です。
このところ台風や雨の日ばかりで
なんとなくスッキリしない日が続いていましたが
本日はとってもさわやかな秋晴れの一日になりましたね☆
さて、勉強の秋というには少し前の事になりますが
以前から今年は何か新しいことを学びたいと考えていたため
この10月からキャリアコンサルタント養成講座に通い始めました!
(キャリアコンサルタントとは何ぞや?という方は↓を参照。http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html)
この講座では座学だけでなく、グループワークやロールプレイを通じて
キャリアコンサルティングの様々な手法を学んでいます。
中心的に学んでいるのが、最もポピュラーな心理療法の一つである
「来談者中心療法」といわれるものです。
来談者中心療法は、アメリカの臨床心理学者
カール・ロジャーズが確立した心理療法で
専門家によるアドバイスや解決策の提示ではなく、
悩みを抱えている人に、自らの態度や感情を自由に表現させることによって、
結果として、自己への気づきや課題への洞察がもたらされるというものです。
ここでコンサルタントに求められるのが「傾聴」というスキルです。
講師の先生の言葉を借りれば、傾聴の「聴」は
「耳と十の目と心で聞く」ことを意味しているとのことです。
すなわち、ただ相手の話を聞いていれば良いというものではなく
うなずきや感情の反射、質問やコンプリメント(称賛)といった
テクニックを織り交ぜながら、自分自身を相談者の
写し鏡のような存在にすることが必要となります。
この時、キャリアコンサルタント(聞く側)に求められる態度は
次の①~③といわれています。
①受容
相手がどんな人であっても、異なる価値観を有する人であっても
受け入れること
②共感的理解
相手の考えや感情を相手の立場にたって感じたり考えたりする姿勢
③自己一致
話を聞く側がありのままの自分を受け入れている状態
(自分の感情に嘘をついたり誤魔化していない状態)
さて、実際ロールプレイに挑戦してみると、これが非常に難しい!
共感どころか、「なんでそんな風に考えるんだろ?」とか
「〇〇すればいいじゃん」など、内心ではそんなことばかり思ってしまいます。
とても写し鏡とはいきません。
相談者からすれば、鏡を覗き込んだら、全く別人の顔が映っていた(笑)
といった感覚かもしれません。
それでも、回数をこなすことで、一定の成長を実感できているので
毎回の授業が楽しくてなりません。
それに、来談者中心療法の根底にある
「傾聴によって来談者自らが気づき、成長していくことができる」
という考えは、我々士業の仕事にも大いに通ずるように感じるのです。
つまり、専門家がお客様の問題を解決するのではなく、
専門家とのやり取りの中で、お客様自身が自分の本当の課題に気付き
自らその解決に向けて行動する。専門家はその行動を支援する、という関係です。
労務や税務の知識や情報は、誰でもある程度は調べられる時代です。
それでも士業が必要とされるとすれば、
やはり、お客様の悩みを聴くことができる存在だからじゃないでしょうか。
(専門的な知識は悩みの内容を理解する前提として必要となるのです。)
そんなことを考えながら、我々士業が高めていかなければならない能力の一つとして
聴く力を磨いていきたいと思います。