2018/03/12
失敗から学んだこと
こんにちわ!
労務チーム田原です。
冒頭から楽しくない話ですが、私、最近仕事でミスをしました。
お客様に謝罪の意をお伝えしたところ、「そんなに気にしないでください」と優しいお言葉をいただいたのですが、申し訳ないやら悔しいやらで、しばらく失意の日々を送っていました。
そんなこともあってか、以前、日本を代表するサッカー選手であり、ビジネスの分野においても活躍されている本田圭佑選手が、ツイッターで「ミス」についての考えを披露して話題になっていたことを思い出しました。ご存知の方も多いと思いますが、とても興味深い考えですので、以下に引用したいと思います(決して文字数稼ぎではありません。)。
「『ミスをするな』と言えば高確率でミスをするように人の脳はできてる。 ミスを意識させるのではなくて、どうやったら上手くできるかを意識させることができれば、自ずとミスは減る。 それを理解してる指導者が世界にはどれだけ少ないことか。」
私は脳の仕組みについては良く分からないので、この考えがどこまで脳科学的に正しいのか分かりませんが、人事労務を仕事にする人間として大いに共感するところがありました。
キャリアに関する理論の中に、バンデューラという心理学者が提唱した「自己効力感(self-efficacy)」という似たような概念があります。
自己効力感というは、人が何らかの課題に取り組むときに、それが困難な状況であっても、「自分は対処できる」と自分に対してうまくやる確信、自信といったイメージが持てることをいいます。
自己効力感を高めるのは、次の4つの情報源といわれています。
①遂行行動の達成(自分の力でやり遂げたという経験と実感)
②代理的経験(似たような立場の他者(モデル)が成功するのを見聞きする)
③言語的説得(ある行動に対して他者から繰り返し認められたり励まされたりする)
④情動的喚起(生理的・感情的な過剰反応 (例)人前でスピーチをした→聴衆から笑われ、ドキドキして冷や汗をかき恥ずかしさを感じる→人前で話すことへの自己効力感の低下。逆に、リラックスして落ち着いていると、自己効力感は向上する)
そして、自己効力感の高い人の方が、同じ状況下においても高い成果を出すことができると言われています。
さて、ここで冒頭の本田選手のつぶやきに戻れば、「ミスを意識させる」というのは、むしろ自己効力感を低下させる方向に人を意識づけることになると考えられます。
また、「それを理解してる指導者が世界にはどれだけ少ないことか。」と、本田選手のような、世界のプロスポーツの現場を見てきたアスリートですらそう感じているということです。いわんおや、我々が生活する一般の社会では、よりその傾向が強いのではないでしょうか(日本の文化・社会は特にそんな感じがします。)。
どんな仕事や会社でもミスや失敗は少なからず起きますし、未経験の仕事に挑戦する機会もやってきます。特に変化の激しい現代では、ミスを恐れず挑戦する自己効力感の高い人材が求められるのだと思います。
決して自分の失敗を棚上げするつもりはありませんが、今回のミスの結果、これからも挑戦できるように、日々自己効力感を高めていきたいとの思いを強めることになりましたし、労務士としての仕事を通じて、働く人が仕事の中で自己効力感が高められるような、人が活きる職場作りの支援ができればいいなぁと考える機会になりました。
また明日から挑戦の日々ですね。
ここまでお読みいただき、有難うございました!